次の一手Part6(相振り飛車)
代表的な囲いとしては、美濃囲い、金無双、矢倉などが挙げられますが、下図は両者ともに独特な陣形です。
この局面で先手には様々な手がありますが、どのように指せば良いでしょうか?
正解は、▲4五歩(先手有利+700)です。相手の攻めを誘発しそうな手なので、なかなか気づきにくい一手だと思います。
(A)△5五銀には、▲同銀、△同金、▲6六銀
(B)△4五同金には、▲同銀、△同銀、▲5一飛成
この後は攻め合いになりますが、いずれも先手が優勢となります。
さて、下図は最終盤の局面です。ここでは、次の一手らしい好手があります。
正解は、▲6五桂(先手優勢+5500)です。この桂跳ねがなんと「詰めろ龍取り」になっています!
(A)△6五同歩には▲9九馬と龍を取って先手勝勢です。
(B)△4九龍には▲同玉で自玉が安全になるので攻めに専念できます。
※いずれも次は▲7一飛打からの詰めろがあります。
実戦では、この▲6五桂で後手投了となりました。このような手が実戦で指せたら気持ち良いでしょうね。
5手詰めPart15
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対局解説Part18(角交換振り飛車)
今回は、角交換振り飛車の一局を解説します。
下図の局面は、後手が棒銀で2筋を攻めてきたところです。また、△7五歩、▲同歩、△7六歩という7筋からの攻めもあるので、先手としては何か反撃策が必要です。
実はこの局面では既に先手有利なのですが、実戦で指した▲5六角が悪手で、形勢を損ねてしまいました。手の広い局面ですが、相手の狙いを消す冷静な一手があります。
正解は、▲6六銀(先手有利+650点)です。
(A)△6五歩には、▲同桂、△同桂、▲4六角がぴったりの返し技。次に▲2四角の銀取りと▲5四歩の突き出しが厳しく、先手優勢です。
(B)△2五銀には、▲3一角、△3二飛、▲2五飛、△3一飛、▲2二飛成と2筋を逆襲し、先手充分です。
さて、実戦では2筋を攻められている間に、銀冠の強みを活かして玉頭戦に持ち込みました。相手の角のにらみが強烈なので、実戦では▲5四歩と突きましたがこれは悪手でした。(以下、△7七歩、▲同玉、△3八龍などで先手が負けます。)
正解は、▲7五銀(互角)です。
(A)△7四歩には、▲6四銀打とすれば攻めがつながり、先手優勢です。
(B)△7七歩には、▲同玉、△3八龍、▲7四銀と進めて互角です。(▲5四歩と比べて、相手玉への寄せが速くなります。)
実戦ではお互いに決め手を逃し、下図の局面になりました。ここで間違えると即負けにつながるので、慎重な読みが求められます。次の△7八歩成が怖いですが・・・
実戦では、自玉の不詰みを読み切り、▲6三とと強く踏み込みました。以下、△7八歩成、▲同銀、△7七角、▲同玉、△6五桂、▲6六玉として、何とか一手勝ちとなりました。 (追記:△7八歩成に対しては▲9七玉と逃げたほうが明快に勝ち。)
勝ちを拾えたものの、反省点の多い一局でした。これから高段者との対局も増えてくるので、さらに精進します。
次の一手Part5(ゴキゲン中飛車)
今回は、対ゴキゲン中飛車の将棋を考察します。
下図の局面は、飛車角交換が行われた後、後手が△3一歩と打った局面です。これは先手の飛車を打つスペースを制限するのが狙いです。
あまりじっくりしていると、後手から△2七角と打たれ、馬を作られてしまいます。ここで、先手が攻めをつなぐためにはどうすればよいでしょうか?
正解は、▲3二飛成(先手有利+610点)です。
以下、△同歩、▲3一飛、△2九飛と進みました。先手は飛車銀交換で一時駒損にはなりますが、玉の固さでは上回っています。また、後手としては2三の金が遊んでいるのは懸念材料でしょう。局面が落ち着いたら桂香を拾えばよいので、攻めが途切れる心配もありません。
さて、先手有利のまま局面は終盤へ。ここでは詰将棋のような寄せがあります。
正解は、▲8四桂(先手勝勢+9999)です。
この桂捨てが華麗な一着で、△同角成でも△同歩でも、▲8二金、△9三玉、▲8一金以下詰みとなります。
対局解説Part17(陽動振り飛車)
今回は、対陽動振り飛車の一局を解説します。
序盤は相居飛車の形でしたが、相手の方が途中から中飛車で来たので、こちらも中央を厚くする駒組みに切り替えました。
下図は▲6五歩と突かれた局面です。△同銀は▲5四歩が厳しいので、この歩は取れません。実戦では△7三銀とやむなく撤退しましたが、それに代わる強気の一手がありました。
ここでは、△5五銀右(後手有利+680点)が成立します。
(A)▲同飛、△同銀、▲同角には、△5七飛が王手角取りで後手良し。
(B)▲同角、△同銀、▲同飛には、△4四角、▲5八飛、△9九角成と進めて後手充分です。
さて、数十手進んで下図の局面になりました。▲7六歩と銀取りに打たれ忙しい局面ですが、攻めをつなぐ常套手段があります。
ここでは、△8六歩(後手優勢+1110点)が最善です。
(A)▲7五歩には、△8七歩成とすれば8筋が突破できます。
(B)▲8六同歩には、△同飛、▲8七歩、△9六飛と進めて後手充分。
いずれも敵陣に龍ができるため、攻めがつながります。自玉も安全なので寄せに専念できるのが強みです。
対局解説Part16(角換わり)
今回は、角換わりの対局を解説します。
相手の方は最近流行りの腰掛銀ではなく、四間飛車で迎撃する作戦でした。対早繰り銀の将棋でたまに見かける形です。
下図は△3五歩と突かれた局面です。▲3五同歩とすると、△3六歩、▲同銀、△5四角が厳しいと思いこみ、実戦は▲6七銀と形を整えましたが、あまり良くありませんでした。
上図での最善は「▲3五同歩」です。(先手+650点)
前述の△3六歩、▲同銀、△5四角には▲5八角と打って、銀の両取りが受かります。(この▲5八角を見落とすとは痛い・・・)
さて、十数手進んで下図の局面を迎えました。△4三歩と銀取りに打たれたところですが、ここで銀を引いているようではいけません。
上図からは「▲3三歩」が攻めを継続する一手。(先手勝勢+3350点)
(A)△4四歩には、▲3二歩成、△同飛、▲2三飛成
(B)△4二金には、▲3二銀、△4四歩、▲3一銀成
(C)△同桂には、▲同桂成、△同金、▲同銀成、△同飛、▲3四歩
いずれも攻めがつながり、先手が勝ちに近づきます。
この対局で初段になることができました。まだまだ反省すべき点は多いですが、引き続き上を目指して精進します。
次の一手Part4(相振り飛車)
序盤早々に大駒の交換が行われ、駒組みの段階に入っている局面です。下図では、後手が△4四銀と上がりましたが、やや危険な一手でした。相手陣は隙がなさそうに見えますが、ここで気づきにくい好手があります。
正解は「▲8四歩」です。(先手+640点)
これには△同歩、▲同飛(下図)と自然な手が続きます。(実戦もこのように進みました。)
上図の局面から(A)△8三歩には、▲5四飛、△同歩、▲4三角と打って、先手有利になります。
実戦では馬を取られるのを避けて(B)△4三馬(下図)としましたが、ここで先手に決め手があります。
正解は「▲8五飛打」です。(先手+3660点)
△8二歩には▲8三歩と合わせて、8筋突破が可能になります。
「敵陣が安全に見えても実は隙がある」という例を紹介しました。駒の配置のほんの少しの違いで攻め方や受け方が変わってくるので、序盤から気が抜けないですね。