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次の一手Part7(雁木)

今回は「雁木」の対局から次の一手を考察します。

下図は序盤から中盤に入ろうとしている局面です。どちらの陣形も駒の連携が良く、隙がなさそうに見えますが、ここから後手に先攻する手段があります。

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正解は、△7五歩(後手有利+420点)です。

(A)▲6八金右には、△6五歩、▲同歩、△7六歩と進めて後手有利。

(B)▲4六歩には、△9五歩、▲同歩、△9七歩と端を絡めて後手有利。

(C)▲同歩には、△6五歩、▲同歩、△同桂、▲6六銀(下図)が一例で、実戦もこのように進みました。

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上図では△6四銀が習いある形。雁木や矢倉の対局で部分的に出てくる形です。

仮に△6四歩だと、将来6筋に歩を打って攻める手段がなくなりますし、どこかで▲7三角と打ち込まれる手も気になります。

 

 

実戦では△6四銀以下、▲1五歩、△7七歩、▲8八金(下図)と進みました。この局面で、後手に決め手があります。

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正解は、△3九角(後手優勢+2730点)です。

(A)▲3八飛には、△6六角成、▲同銀、△7八銀、▲同金、△同歩成、▲7六金(下図)として後手勝勢。

(B)▲2六飛には、△8六歩、▲同歩、△同飛、▲8七歩、△5七角成、▲6八歩、△6六飛と進めて後手勝勢です。

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ということで、雁木でよく用いられる攻めの手筋を考察しました。右桂と角をタイミング良く使うことによって、一気に先手陣を攻略できましたね。ただし、攻め自体はやや細いので、切らされないよう慎重に攻めることが大切です。