将棋NOTE

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対局解説Part21(四間飛車)

今回は「四間飛車」との対局を解説します。

下図は先手が▲9五歩から仕掛けてきて、香交換になろうとしている局面です。実戦では、△4四香と銀取りに打ちましたが、ここでリードを広げる好手がありました。

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正解は、△8六歩(後手優勢+1060点)です。地味な手に見えますが、放っておくわけにもいかないので、先手は何かしら対処が必要です。

(A)▲同歩には、△9五香として後手の香得になります。

(B)▲同角には、△8三香、▲9七角、△9五香が変化の一例ですが、8~9筋を制圧して後手優勢です。

 

 

上図から数十手進んで、下図の局面を迎えました。 後手の△8六歩に対して、先手が▲8三銀と打ってきたところです。

実戦では△8一飛としましたが、少し慎重すぎたようで差が縮まってしまいました。自玉は安全なので、ここでは寄せに向かうべきでした。

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正解は、△8三同飛(後手勝勢+4320点)です。「終盤は駒の損得より速度」を地で行く一手ですね。

これに対しては▲同馬と取るしかありませんが、そこで△8七歩成とすれば、左右挟撃の形ができるため後手勝勢です。

 

今回は、将棋ウォーズの「10秒」で対局しました。「10分」に引き続き、こちらの持ち時間でも、段位・級位を上げていこうと思います。

対局解説Part20(三間飛車)

今回は「三間飛車」との対局を解説します。

下図は、後手が△6三金と高美濃囲いにした局面です。こちらはエルモ囲いに組みました。金銀の連結が良く、将来相手玉への端攻めも見込めます。

実戦はここで▲3七桂と指し、チャンスを逃してしまいました。先手はどのように指すのが良いでしょうか。

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正解は、▲4五歩(先手有利+340点)です。

(A)△同歩には、▲3三角成、△同桂、▲2四歩、△同歩、▲同飛で先手良し。

(B)△8二玉には、▲3五歩、△同歩、▲2四歩、△同歩、▲4四歩と進めて先手有利です。

 

 

上図から手が進み、下図の局面になりました。4四の地点で飛角交換を行い、終盤に差し掛かろうとしています。手の広い局面ですが、相手陣に攻め込む一手を考えたいところです。

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正解は、▲4一角(互角)です。

(A)△2二飛には、▲7五歩、△8四飛、▲6三角成、△同銀、▲7四歩と進めて互角です。

(B)△6二飛には、▲7五歩、△8四飛、▲7四歩、△同金、▲3四歩が変化の一例でこちらも良い勝負です。

実戦では▲4三角と打ちましたが、△2二飛とされたときに良い手がなく、形勢は一気に悪くなりました。終盤での深い読みが課題だと感じた一局でした。

次の一手Part8(四間飛車)

今回は「四間飛車」の対局から次の一手を考察します。

下図は後手が△2八飛と打った局面です。互いに金銀4枚の鉄壁の囲いで、そう簡単には崩せそうにありません。

先手からは▲1一龍と香車を拾う手がありますが、この局面ではより厳しい一手があります。

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正解は、▲2三龍(先手優勢+1080点)です。相手の飛車と角の位置に注目した好手ですね。このように大駒が向かい合っているときには技がかかりやすいです。

これに対しては、△2九飛成ぐらいですが、▲3六桂と打って先手優勢です。

 

 

実戦では▲3六桂以下、△6八角成、▲2九龍、△5七馬(下図)と進みました。飛車と銀の交換になっており、先手が駒得をしています。

さて、この局面で先手は何を指せばよいでしょうか。▲2一龍や▲3一飛なども有力ですが、それを上回る一手があります。

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正解は、▲6八角(先手優勢+1710点)です。一見地味な手ですが、リードを広げるには、働きの悪い駒を活用することが大切です。

(A)△同馬には、▲同金寄と相手の馬を消して先手充分。

(B)△5六馬には、▲3五角(下図)とすれば角が攻めに働いてきます。数手前の局面と比べると、角の働きが格段に良くなったのが分かると思います。

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この後は、▲2一龍や▲3一飛などで敵陣を攻略していきます。5筋に歩が打てるようになったのも大きなポイントですね。

対局解説Part19(角換わり腰掛銀)

今回は「角換わり腰掛銀」の将棋を解説します。

下図は▲6三銀と打たれた局面です。角換わりの将棋ではよく出てくる手筋で、△同金には▲7二角と打たれて、飛車と金の両取りがかかります。

実戦では△6一金と引きましたが、ここでは強気に踏み込む一手がありました。

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上図では、△4五銀(後手有利+800点)が最善です。相手の玉形を咎める手で、桂馬を入手すれば△4六桂が厳しく後手有利です。

△4五銀以下は、▲6二銀成、△4六桂、▲6八玉、△3八桂成、▲6三角、△2九成桂が変化の一例ですが、これは後手が指せます。

 

 

上図からは△6一金、▲7四銀成、△8六歩、▲同歩、△5四角、▲6八玉、△4五角、▲7三成銀と進んで、下図の局面になりました。

非常に手が広い局面です。実戦では相手玉の逃げ道を封鎖しようと△8七歩と打ちましたが、これがあまり良くなかったようです。▲5六桂以下、相手の反撃を喰らい劣勢に陥りました。

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上図では、△4六銀(互角)が最善でした。相手玉の上部から攻め込むのが狙いです。

(A)▲4九飛には、△5七銀成、▲同玉、△7八角成、▲4四飛、△4三歩、▲6四飛が変化の一例で、やや後手が指せる展開。後手は駒損の代償に、馬を作って手番を得たのが主張です。

(B)▲5六桂には、△5五銀上、▲4九飛、△5四桂として互角の勝負が続きます。

 

ところで、今日は新潟市棋王戦第3局が行われています。1勝1敗で迎えた本局はどちらに軍配が上がるのでしょうか。自分ならどのように指すかを考えながら、楽しく観戦したいと思います。

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次の一手Part7(雁木)

今回は「雁木」の対局から次の一手を考察します。

下図は序盤から中盤に入ろうとしている局面です。どちらの陣形も駒の連携が良く、隙がなさそうに見えますが、ここから後手に先攻する手段があります。

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正解は、△7五歩(後手有利+420点)です。

(A)▲6八金右には、△6五歩、▲同歩、△7六歩と進めて後手有利。

(B)▲4六歩には、△9五歩、▲同歩、△9七歩と端を絡めて後手有利。

(C)▲同歩には、△6五歩、▲同歩、△同桂、▲6六銀(下図)が一例で、実戦もこのように進みました。

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上図では△6四銀が習いある形。雁木や矢倉の対局で部分的に出てくる形です。

仮に△6四歩だと、将来6筋に歩を打って攻める手段がなくなりますし、どこかで▲7三角と打ち込まれる手も気になります。

 

 

実戦では△6四銀以下、▲1五歩、△7七歩、▲8八金(下図)と進みました。この局面で、後手に決め手があります。

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正解は、△3九角(後手優勢+2730点)です。

(A)▲3八飛には、△6六角成、▲同銀、△7八銀、▲同金、△同歩成、▲7六金(下図)として後手勝勢。

(B)▲2六飛には、△8六歩、▲同歩、△同飛、▲8七歩、△5七角成、▲6八歩、△6六飛と進めて後手勝勢です。

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ということで、雁木でよく用いられる攻めの手筋を考察しました。右桂と角をタイミング良く使うことによって、一気に先手陣を攻略できましたね。ただし、攻め自体はやや細いので、切らされないよう慎重に攻めることが大切です。